Yutaka

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自然素材の家でのくらし。オーガニックでゆたかに生活する人たちの物語。

Woody Days

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木とともに暮らす日々Woody Days

しぜんといきる

取材・執筆/それからデザイン 写真/杉能信介

人と人、人と土地、人と家が、出会い、繋がり、不思議なほどにピッタリはまった。今回ご紹介する山村さんのお宅は、ご縁の糸にするすると導かれるように建った、そんなお家だ。

飯能市、駅から車で5分ほど、丘を1つと川を超えて、緑の空気に包まれた静かな場所。ゆるやかな丘陵と、きちんと手入れされた畑が続く先に流れる小さな小川、底に沿うように木目の美しい家が佇んでいる。

 

お邪魔した時は、ちょうど奥様のみどりさんと、長男・笑生(しょうせい)くんが、トマトとバジルの苗を植えているところ。長女・二虹(にこ)ちゃんは自転車の練習中。そこへ、ご主人・将司(まさし)さんが裏庭から現れ、笑顔で迎えてくれた。

 

将司さんは、お隣の狭山市の会社にお勤め。高校時代からラグビーを続ける生粋のラガーマンだ。今は、川越市のチームで活動しながら、息子の笑生くんのラグビースクールで教えることも。

 

10代から続けているラグビーは、将司さんを大きく成長させてくれたものだと言う。
「チームプレーなので、たとえ自分が敵に止められても、後ろでパスを受け取った仲間がもっと前に進むことができる。自分の身を呈して、ボールを前に出す。“人を活かすこと”、“仲間ができないことを補い合うこと”を教えてくれた、そういうスポーツなんです」
大らかで優しい笑顔、そして一本通った芯の強さを感じる、一家の大黒柱だ。

一方、小柄でチャーミングな笑顔が眩しい奥様のみどりさん。色んなものを手づくりするのがお好きとのことですが?
「パン、毎日食べるヨーグルト、それからコーヒーを家で焙煎しています」
コーヒー豆を家で焙煎!?驚きです!
今日もキッチンからは、香ばしいうっとりするような香りが漂ってきます。慣れた手つきで豆を炒ったら、ミルで挽いて淹れたてのコーヒーを出してくれました。

小学3年生の笑生くんと、3歳の二虹ちゃんは、自転車を乗り回したり、裏の小川で遊んだりと、元気いっぱい。兄妹のお名前には、二人とも“スマイル”の意味が…名前のとおり、おうちの中はいつも和やかな笑顔に溢れている。

ご夫婦は、三重県と愛知県がご出身。共通のご友人を通して知り合い、自然な流れで結婚まで至ったとか。10年ほど前に、転勤で狭山市に。社宅が手狭だったことや、広さにゆとりのある住環境が好きだったこともあり、家を建てることを考え始めた。
「予算の都合もあり、通勤が可能な日高市や、狭山市あたりがいいのではないかと考えて探しました」と将司さん。

笑生くんが通っていた、ひかり幼稚園の園舎が、Yutakaが手掛けた建物だったことをきっかけに、Yutakaを知った。
「絶対にYutakaで建てたい、と意気込んでいたわけではないんです。ふと閃いてYutakaのホームページを見たら、偶然にも完成見学会の日だったので、その場で電話予約をしてOB宅を見に行ったんです」
いくつか地元の工務店の見学会にも参加したそうですが、Yutakaに決めた理由はあるのですか?
「家づくりについて、詳しいことはわからなかったのですが、Yutakaの家は、作りが丁寧に感じたんです。床を踏んだ感触が、ピシッとしているというか…」と将司さん。
理屈だけでない、感じるものがあったようだ。

そうして、自然な流れでYutakaとの家づくりがはじまった。

実は、山村さんご家族は、飯能市が移住者推進のために実施している「半農ライフ」というサポート制度を受けた、第一号なのだ。
事前にその制度を知っていたわけではなく、ある日、それに関連するキーワードを知った将司さんが、気になって調べてみたことがきっかけで、Yutakaの安食社長と市役所へ出向いたところ、飯能市では“農ある暮らし”をサポートする「半農ライフ」という補助制度があることがわかった。
子どものいる家族が、自然豊かな飯能市の一部の地域に移住し、自分のライフスタイルにあった「農」を暮らしに取り入れる家族を対象としているこの制度。地元の木材を使うことによる補助などもあったため、Yutakaで西川材を使った家を建てることは、更なるプラスになった。

「飯能市内の対象となる土地を紹介してもらえるとのことで、市の職員さんと、安食社長と10件ほど見て回りました。やっぱり最初に見たこの場所が気になって、再度訪れたんです」と将司さん。
土地選びはトントン拍子で、あまり時間がかからなかったようですが?
「安食社長と一緒に回ったので、早く決められたんだと思います。ここの土地なら、こうなる、どんなことができる、というのを、その場で聞くことができたので」と、みどりさん。
丘陵と畑の広がる景色、通勤の便などの条件も合い、裏に小川が流れるこの場所に決まった。

玄関とリビングの二カ所に、広いウッドデッキが広がる山村邸。家の中から望む緑豊かな景色は、まるで高原の別荘に来たかのよう!
アウトドアやキャンプがお好きなご家族には、テントや屋外で使用する道具がたくさん揃っている。これら一式、玄関アプローチと一体になった大きなウッドデッキに設けられた収納とデッキ下に収まるように設計されている。とても便利そうですね!
「外で使うものを家の中に持込まなくてよいので、とても助かります!屋根がついているから、荷物の出し入れ時に天気を気にしなくてよいのも嬉しいです。ラグビー関連のものなどもここにしまっています」と将司さん。

ちょっとしたトレーニング場にもなりそう。ウッドデッキのすぐ側に、温水シャワーもついているので、ラグビーや外遊びで泥んこになった子どもたちも、きれいにしてから家の中に入れるなんて理想的!ご家族にぴったりな設計ですね。
広々とした景色と小川が見える、リビングに繋がるもう1カ所のウッドデッキでバーベキューをしたら、もうどこかへキャンプで出掛ける必要はなくなってしまいそう。

外は梅雨らしくジメジメしているのに、一歩家の中に入ると空気がカラッと爽やかですね。
「暑い日なども、まだ家の中でモワッとした不快さは感じたことはないですね。漆喰の壁と、無垢材、あとソーラーシステムのお陰でしょうか」と将司さん。
自然の素材を活かした家ならではの気持ち良さを体感できます。

お引っ越しされたばかりですが、新しいお家はどうですか?
「ストレスフリーになりました!前の家は、家事の導線や、家の中の視界が悪くて、おもちゃを片付けるのも大変だったのですが。今は、子どものものは全部ロフトへ、家電もぴったり収まるように設計してもらったので、物を置いても狭くならなかったです」
そう、このお家、家具がとっても少ないですよね。家中、随所に収納ができるようになっていて、日用品や本などもスッキリ収まっています。

「買った家具は、ダイニングテーブルだけなんです。今はテレビも置いていないので、とても静かです。川のせせらぎと、鳥のさえずりくらい。朝は、鳥の鳴き声が大きくて自然に目が覚めます(笑)」

2階の吹き抜けの側には、洗濯物を干すことができる木のポールが。洗濯機から近くて雨の日も干すことに困らず、そのお隣にあるウォークインクローゼットに干していたハンガーのまま収納できるように設計されている。家事のストレスもだいぶ軽減したみたい。

そして広いロフトは、子ども部屋に。
三角屋根の天井、見晴らしの良い窓辺。可愛らしい二つのベッド。まるでアルプスの少女ハイジの小屋に泊まりに来たみたいです。すべてここに集約したというおもちゃで遊ぶのにも十分なスペースです。
笑生くん、「新しいお家になって、よく眠れる」そう。隠れ家のような、ワクワクしてしまうお部屋です。

物も家電も備え付けのものにきれいに収まり、ご家族のライフスタイルと見事にぴったりフィットしている山村さんのお宅。「こんなお家にしたい」と、元々思っていらしたのですか??
「いいえ、全然(笑)『夢ノート』に書いたことを元に、安食さんから提案をしてもらって」とお二人。
家や暮らしなどについての希望を自由に書き込んだり、写真を貼る『夢ノート』、みどりさんが実物を持ってきてくれた。

ウッドデッキ、大きなソファ、子どもたちがお手伝いしやすいキッチン、自分たちで作った野菜を食べたい、コーヒー豆の焙煎、泥だらけで帰ってきても部屋が汚れないように・・・拝見させていただくと、叶っていることばかりですね!
「そうかもしれません。新調したい家電も、ここに書いていたので、すべてピッタリ収まるように設計してもらって」

将司さんは続けて
「この土地に広さがあるので、長めの平屋になるのかな?なんて思っていたら、『夢ノート』を元に、いただいた提案が6m×6mのコンパクトな2階建てで少し驚きましたが。そのご提案を元に、トイレの場所を動かしたり、吹き抜けを作ってもらったりと、変更してもらったのですが、当初の図面から大きくは変わっていません」
アウトドア用品を収納できるように、離れ小屋の提案もあったが、予算的に難しいとの相談をしたところ、現在の広いウッドデッキと一体になったアウトドアリビングの形が生み出されたそう。

「家をつくっている間は毎日ここに通っていました。お陰で棟梁や大工さんと直接お話しすることができて、図面ではこうなっているけど、こうした方がいいんじゃないか?と現場で提案してもらったことも沢山あります。
例えば、リビングの収納付きソファが、開閉時にバタンと勢い良く閉まって子どもたちが手を挟まれたら危ないだろうって、ダンパーをつけてもらったり。ウッドデッキの木材が長かったので、切らずに玄関にベンチのような縁側をプラスで作ってくださったり・・・」
毎日、現場でも細やかなコミュニケーションがあったのですね。笑生くんと二虹ちゃん、棟梁からお孫さんのように可愛がってもらっていたとか。

「反対に、こちらから現場でお願いしたことも色々とあります。手摺りをつけてもらったり、洗面所に充電コード用の穴を開けてもらったり…安食社長もよく来てくださって、最後まで」
『夢ノート』以外にも、将司さん、みどりさんの提案がいろいろと形になっているのですね。
午後のコーヒータイムの前には、みどりさん自家焙煎のコーヒーと、お菓子を毎日差し入れされていたそう。大工さんたちの喜んでいる顔が目に浮かびます。

「土地を紹介していただいた後も、飯能市役所の方が何から何まで手厚くサポートしてくださって。地域の方も、あたたかくていい人ばかりなんです」お二人は口を揃える。
「家庭菜園についても、庭はジャングルのように草が生えていたのですが、農業委員会の人が除草を手伝ってくれたり、今日植えていた苗も、その担当の方からいただきました」
市役所や制度の垣根を越えて、人と人との心が通っているのを感じます。
「家を建てている間は、騒音などでご迷惑をおかけしているのに、向かいのおばあちゃんが大工さんにお茶を出してくださって。先日は、お姉さんが蛍がいるよって、子どもたちに声をかけてくれたり。野菜づくりでわからないことがあったら、近所の人から教えてもらったり・・・」と、みどりさん。
地域の皆さん、山村さんご家族をあたたかく歓迎してくださっているのですね!

「笑生の学校も、同級生が9名ととても少なくて、少し心配なところもありました。でも、通ってみたら、少人数が故にみんなの関係がとても密で、子ども会なども盛んに活動しているんです。小学校と地域の運動会が一緒なので、見るだけでなく参加もしないとかもしれないですが。若い人が少ない分、自分たちが地域でできることがあればやっていきたいです」と将司さん。
山村さんご家族が、すでにこの場所と、人々と、調和されているのが伝わってきました。

ここで始まる新しい生活、とてもワクワクしますね。まずは、これをやりたいと思われていることはあるのですか?
「“農ある暮らし”の家なので、まずは庭の菜園ですね。コツコツ整えて、野菜を育てたいです」
キッチンの裏には、菜園から出入りができるようにドアが。とれたての野菜でお料理するのが楽しみです。

いろんなご縁が“しぜんと”繋がって生まれた山村さんのお家。玄関とお庭には、実がなる木が3本植えられました。サクランボ、ジューンベリー、そしてフェイジョアというフルーツの苗木。子どもたちと一緒に、この木たちも育っていくのですね。ご家族と共に、この地に根を伸ばし、ぐんぐん大きくなって実をつけてくれる日が、今から待ち遠しいです。
周りに街灯が少なく、辺りは真っ暗になる夜。でも、暖かな明かりが灯ったお家の中は、今日も笑顔で溢れているに違いありません。

(2018/6/17 取材・執筆/それからデザイン)

山村邸 DATA

所在地 埼玉県飯能市
お引き渡し日 2018年5月
家族構成 夫婦+子2人
こだわりワード 西川材,半農ライフ,家庭菜園,パッシブソーラーシステム「そよ風」,アウトドアリビング,ウッドデッキ

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